寛骨臼形成不全症に対して寛骨臼回転骨切り術を施行した一般テニスプレーヤーの1例
森谷 光俊
医療法人社団仁恵会 黒河内病院 院長
医学博士 日本整形外科学会専門医
日本体育協会公認スポーツドクター
公益財団法人日本テニス協会医事委員会 委員
神奈川県テニスメディカルサポートドクター
【症例】38歳、女性。高校時代から左股関節の違和感があった。20代からテニスを始め、週2回以上テニススクールに通うほどのめり込むようになった。半年前から左股関節痛が増強し、プレーに支障を来たすようになり当院へ紹介となった。精査の結果、左関節唇損傷を伴う寛骨臼形成不全症と診断した。本人がテニスへの復帰を強く希望したため、左寛骨臼回転骨切り術(CPO;Curved Periacetabular Osteotomy)を施行した。術後早期から関節唇損傷による疼痛は改善した。術後7ヵ月でショートラリーを開始し、1年でスクールに復帰した。現在術後8年が経過し、股関節機能は保たれており、週4回の頻度でテニスをプレーし、一般の大会にも出場している。
【考察】股関節温存手術であるCPOは、スポーツ選手の人工股関節置換術で問題となる耐用年数や脱臼のリスクがなく、除痛効果も高いため有用な術式であると考える。
略歴
平成15年
藤田保健衛生大学医学部 卒業
医師国家試験合格(医師番号 : 431308)
北里大学医学部整形外科学 入局
平成23年
北里大学医学部整形外科学 助教
平成29年
医療法人社団仁恵会 黒河内病院 入職
平成30年
同院 副院長
令和元年
北里大学大学院 医療系研究科 博士課程 学位取得
医療法人社団仁恵会 黒河内病院 病院長
専門領域
股関節外科、外傷外科
資 格
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本障がい者スポーツ協会公認 障がい者スポーツ医
産業医
役 職
公益社団法人相模原市病院協会 理事
一般社団法人相模原市医師会 理事
公益財団法人日本テニス協会医事員会 委員
神奈川県相模原南警察署 警察医